銀行と政治との癒着

銀行の不正行為という場合、そこには2つの性質の異なるもののあることに注意しなくてはなりません。


一つは、よく新聞紙上に顔を出す行員の使い込みや、中間管理職の手による不正融資です。


これらはいわば経営者の管理体制上の一般的な問題として、内部的に解決さるべき性質のものといってよいでしょう。


ただ、対外的な信用を重視する金融機関の特質として、そうした小さな事件や行員のスキャンダルなどは、新聞社にたいする工作などで隠蔽され、極力、内聞ですまそうとする傾向があります。


・・・しかし、そうした銀行内部における事務処理上のミスや不祥行為については、「近年、銀行の検査部等による内部監査体制が整備、拡充されてきており、事務検査、事務指導を中心にその効果を挙げている」(「金融制度調査会答申」)といわれます。


もう一つは、金融機関であるがゆえに生まれてくる、銀行に特有の不正行為です。


こうしたいわゆる金融事件を国会の場で精力的にとりあげ、追及してきた社会党の参議院議員のある氏は、


「私の見聞では、世間の表面に出ている金融の事件は氷山の一角にすぎないのであって、氷面下、見えない部分の氷塊は異常に大きいようだ。


まことに金融資本の舞台裏での見えざる意図が、神経組織のようにさまざまなところで触手を伸ばし、うごめいているようにさえ感じる」(「金融の"黒い霧"を暴く」)


・・・と述べています。


金がある金融機関には、甘いものに群がる蟻のように、中央政権の権力者から地域ボス、はては総会屋、暴力団にいたるまでが関係しているといわれます。

大企業の利益圧縮 2

ところが、企業経理のお目付役であるはずの大蔵省証券局は、このような決算処理について、「処理方法をかえたからといってただちに、批判できません。


特に利益の過小表示は保守主義の立場からいけば、納得できる面もある」と、きわめて寛大な態度をみせています。


こうした企業に甘い姿勢こそ、利益隠しを助長するものとして批判されねばならないのです。


ところで、ここであげられた粉飾決算は、商法や企業会計原則で認められている会計処理の原則に反したものに限られている点に、注意しなくてはなりません。


つまりこれらは、会計監査において指摘されたものだけなのです。


さらにその背後には、合法的、制度的に認められている粉飾決算や、公認会計士や大蔵省にも明らかにされていない、さまざまの非合法的な粉飾決算が存在していることに目を向ける必要があります。


・・・それらは、古くは山陽特殊製鋼の粉飾決算とか、最近では不ニサッシ、大光相互銀行の粉飾決算、あるいは丸紅、日商岩井の不正事件のように、企業倒産、経営危機、疑獄などによって裏帳簿が明るみに出て、はじめて公になるものです。


そのほとんどは平時には「企業秘密」とされ、外部からはうかがい知れないものです。

大企業の利益圧縮

利益圧縮の第一位は日本航空で、航空機購入に備えた特別償却準備金を計上し、従来の決算処理方法によった場合に比べ、186億円も利益を圧縮しました。


2位の中部電力をはじめ、電力会社が8社も顔を出しているのが注目されます。


これは円高差益で利益が急増したので、減価償却を従来の定額法から一部を定率法に切り替えて償却を増やし、利益を圧縮したものです。


・・・そのほか、構造不況業種の代表といわれた合繊でも、旭化成が業績の急回復から特別償却を実施して、利益の圧縮をはかっています。


他方、依然として不況に悩んでいる造船会社では、石川島播磨が延払い工事利益繰延金を大幅に取り崩し、380億円もの利益をひねり出すなどのやりくりがみられます。


こうした利益操作は、いずれも決算処理方法を変えるというやり方によっており、公認会計士の監査報告書での指摘から明らかにされたものです。

劇場で使用する照明 2

バトンから吊り下げて大道具を飾ると振ることは不可能です。


実験劇場で振った飾りのセットに感じた新鮮さが、孫さんと仕事をするようになって、よみがえってきました。


孫さんは写実劇ではほとんど振ったセットをデザインします。


孫さんの伝統に縛られない自由な発想は貴重です。


孫さんと仕事をすると、ときどきびっくりさせられることがあります。


あるとき劇団テアトル・エコーで上演する芝居の舞台装置図をみて仰天しました。


なんと舞台いっぱいの部屋のセットに、総天井が乗っているではありませんか。


どうして天井を乗せるのかと聞いたら、客席の前のほうから舞台の上のスポットライトなどが見えるのがいやだから、と。


小劇場の宿命として、舞台上部のスポットライトが見切れるのはある程度あきらめなければなりません。


当時はまだかくれん棒のような照明はまだありませんでしたからね。


古代から縁起は担がれている


近世の名君として評判の高い岡山城主、池田新太郎光政。


彼は、生涯茗荷を食いませんでした。


それは彼の先祖が戦場で茗荷畑で戦死した縁起をかついだのです。


「殿。


まことに茗荷畑でよろしゅうござりました。


もし御先祖が田の中で戦死あそばしたら、殿は米を食べることができませぬ儀でござり奉ります」


・・・と家来がひやかしたという逸話がありますが、こんな話はなにも戦国時代や徳川時代に限りません。


現代でも、わたしたちのぐるりに日常見聞する例がひじょうに多いのです。


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劇場で使用する照明

ピカデリー劇場では控え室が一緒だったせいか、大変家庭的な雰囲気で秘捧諏憩としていたのが楽しい思い出になっています。


喜多さんは明治の中頃の生まれ(でしょう)、小学校を出るとすぐ長谷川の大道具に入ったとのこと。


お父さんも大道具だったという生粋の職人。


ピカデリー劇場の2年間ほどの間に、小屋の裏のほとんどのことを喜多さんから学ぶ事ができたのは幸運でした。


私に最も影響を与えた師匠の一人と感謝している次第です。


日本人の住まいに畳が取り入れられたのはいつの頃かわかりませんが・・・


畳の生活がはじまっておおよそ3尺×6尺のサイズに馴染むようになったのでしょう。


舞台の定式物も基本は3尺×6尺です。


この組合せを利用すると変形のセットは考えにくくなります。


照明にはかくれん棒を使用しました。

遺構と文献の対比 2

法隆寺塔の躯体壁と一致し、現在の藁縄とも共通します。


この点から、壁下地の仕様に関して金堂と塔を比較した場合、後者の方がより奈良時代に近い形であることが証明されるわけです。


ところで、木舞はその構成から見て、竹のように細長く割りやすい材料を用いるのが最も便利で、事実、現在では貫を除いてすべて竹で編まれます。


古く『魏志倭人伝』には「篠」・「鋒」・「桃枝」と呼ばれる竹が見え、それぞれ「しの」・「矢柄に用いる竹」・「かづら竹」に比定されています。


また『万葉集』等にも竹がしばしば歌い込まれているから、外壁リフォーム技術のある今日に比して特に入手し難い材料であったとも考えられず・・・


現実に竪穴住居で細竹を屋根下地に使っていた例も報告されています。


しかるに壁下地に関して、遺構・遺物・記録とも竹を木舞に充てた例は全く現われず、かえって当時の技術では製材が困難であったと思われる木の小割材のみが使用されています。


この理由については、いまのところ明確な説明が与えられていません。

遺構と文献の対比

下地にすべて木材を使用し、後世のように竹を用いていないことは、遺構・記録ともに一致しています。


なおこのことは平川廃寺肚(京都)から出土した焼けた壁土からも明らかとなりました。


奈良時代もしくはそれ以前の建築遺吐から壁土の発見されるのは必ずしも珍らしくないのですが・・・


ここのものは幸いにも荒壁から上塗まで一つの塊として出土し、しかも荒壁側の土に木舞が喰い込んだ形を保っていました。


その喰い込みは竹のように丸味を帯びず、製材されたもののように角ばり、しかも土の面には木目まで明瞭に認めることができ、木舞材が確実に木材であることを示していました。


平川廃寺は文献資料に上ってこない遺趾ですが・・・


発掘調査の結果、法隆寺式伽藍配置を持つことが確かめられており、同時に出土した瓦の文様等からも建立年代が奈良時代を降ることはないとされています。


この例から見ても、当代の木舞材料が木材に統一されていたことが明らかです。


現代でいう外壁リフォームのようなものですね。


・・・しかし法隆寺金堂で木舞を絡めていた藤蔓は記録には全く現われず、すべて針縄に置き換えられています。


職人さんの姿 4

ひと言も質問しないので、よくわかってくれているのだなァと思って安心していると、とんでもないものが出来上がっているのでそれをいうと、"図面通りに作りました"としゃあしゃあとしています。


・・・こちらも悪いのですが、図面通りだとくいちがいがあってうまく納まらないはずなのです。


また、敗戦直後には図面などお構いなし参考ていどに考えて作ってしまう大工さんがいたものです。


いまはもうそんなことは全くといってよいほどなくなり、現場の監督さんが工作図、現寸図を手伝ってくれるし、疑問点があればどんどん指摘することに協力を惜しまないのです。


そういう人たちのいる工務店に仕事を引き受けてもらえると有り難いのですが、図に乗るとシッペ返しめいたものを頂くことがあります。


ひところ設計の仕事がたてこんで、現場を若い人まかせにしたことを今も悔いています。


小さい仕事だからとか、予算が少ない工事だからといって、気をゆるめたり現場をみることを人まかせにして後悔をすることがあります。


これは賃貸 仙台など不動産業界にいたころにも感じていました。


絶えず全力をつくさなければいけないということを教えられて知っているつもりでいながら・・・


またそれをくりかえして初心に返ることをずいぶん何度も、永い年月にわたってやってきたのです。

職人さんの姿 3

生意気ざかりだったのでしょう、前後のことはまったく忘れてしまいましたが、忘れるていどの些細なことだったにちがいないのです。


そばに働いていた年輩の大工さんが、その監督をなだめてくれたからいいものの、どうなっていたことか・・・。


"絵にかいた餅がくえるか"のたぐいに、こちらが謙虚さを忘れていたからでもあるでしょう。


相手に作ってもらえる自信がこちらにあれば、高飛車に出ることはないのです。


向うもわかってくれるはずだし、こちらの意図がどこにあるかをわかってもらって、最大限のやる気と技術を引き出すことのほうが勝ちです。


・・・と、わかったのはそれほど昔のことではありません。


"どうも図面が読めないで申し訳ないのですが……"


とたずねてくる大工さんがいました。


そんなときよく見ると、何かしらこちらのかいた図面に落度があるもので、こちらのミスを着工する前に見つけてくれる人のほうが腕が確かなのだ、と私は思っています。


これはソファー 通販などのインテリア業界でも言えることなのではないでしょうか。


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