銀行と政治との癒着
銀行の不正行為という場合、そこには2つの性質の異なるもののあることに注意しなくてはなりません。
一つは、よく新聞紙上に顔を出す行員の使い込みや、中間管理職の手による不正融資です。
これらはいわば経営者の管理体制上の一般的な問題として、内部的に解決さるべき性質のものといってよいでしょう。
ただ、対外的な信用を重視する金融機関の特質として、そうした小さな事件や行員のスキャンダルなどは、新聞社にたいする工作などで隠蔽され、極力、内聞ですまそうとする傾向があります。
・・・しかし、そうした銀行内部における事務処理上のミスや不祥行為については、「近年、銀行の検査部等による内部監査体制が整備、拡充されてきており、事務検査、事務指導を中心にその効果を挙げている」(「金融制度調査会答申」)といわれます。
もう一つは、金融機関であるがゆえに生まれてくる、銀行に特有の不正行為です。
こうしたいわゆる金融事件を国会の場で精力的にとりあげ、追及してきた社会党の参議院議員のある氏は、
「私の見聞では、世間の表面に出ている金融の事件は氷山の一角にすぎないのであって、氷面下、見えない部分の氷塊は異常に大きいようだ。
まことに金融資本の舞台裏での見えざる意図が、神経組織のようにさまざまなところで触手を伸ばし、うごめいているようにさえ感じる」(「金融の"黒い霧"を暴く」)
・・・と述べています。
金がある金融機関には、甘いものに群がる蟻のように、中央政権の権力者から地域ボス、はては総会屋、暴力団にいたるまでが関係しているといわれます。