植生についての調査から何がわかるか 2
例えば、種の組合せから成り立った群落組成表を通しても、私たちは植生あるいは植物群落を現場で概観した以上の客観性をもって理解することができます。
同時に、私たちは具体的に植物群落を現場で実際に手でふれて測定することが出来ます。
注意しなければならないことは、現実には、私たちが野外で植生調査した各資料を研究室で一定の方法で抽象化の操作によって規定した植生・植物群落・群集と、具体的に現場で観察したさまざまな自然植生・・・
また、人為植生では人間の影響も加えられて成立している現存植生とは、たえず少しずつ異なるということです。
私たちは、したがって、対象とする集団について、現存するものと抽象化によってえられるものとの二つの概念の差を知らなくてはなりません。
そして、自然保護・環境保全の行政的措置のたの命令や勧告などを出す場合にも、具体的な対象を指示した場合と抽象的な対象を指示した場合とでは、その個々の対応が異なるということも理解すべきでしょう。
さまざまな生物集団やその取扱いに対しての公的な規制を行なったり、法的秩序を作る場合に、それが具体的な集団を対象にしているのか・・・。
あるいは抽象化された一般的な集団を対象にしているのかによって、判断の仕方や、その理解・取扱いが異なるはずです。